【田原】アメリカではユーチューバーはどれくらいいますか。
【鎌田】英語圏は日本の10倍以上の人口がいますから、単純計算で10万~20万人でしょうか。いや、アメリカは日本と違ってユーチューブで稼ぐことに抵抗がないから、もっと多いかもしれません。
【田原】日本は抵抗ありますか。でも中学生のなりたい職業3位でしょ?
【鎌田】まだまだです。中学生は素直に憧れてくれますが、大人からは「人気はどうせいまだけでしょ」という目で見られています。水物の商売で、信用が置けない、みたいな。
【田原】どうしてそう思うんだろう。
【鎌田】理解しなくても困らないからじゃないですか。新しいものを知らないと生活できなければ大人も必死に理解しようとしますが、実際はユーチューバーを知らなくても困らない。世の中が変わっていっても、「俺のときは違った」とか、「昔はよかった」で終わりです。
人生を変えたヒカキンとの出会い
【田原】ユーチューブに関心をお持ちになったのはいつごろですか?
【鎌田】13年ごろです。ヒカキンという日本一のユーチューバーに出会って、ユーチューブって面白いなと。ヒカキンは平成元年生まれのユーチューバーで、最初はビートボックスをやってました。
【田原】ビートボックス?
【鎌田】口で音を鳴らして演奏するんです。それで徐々に人気が出てきて、いまはゲーム実況をやったり、日常の面白い商品を紹介する動画をつくっています。
【田原】ヒカキンさんと出会ってビジネスになると思った?
【鎌田】べつに事業をしたかったわけではないんです。僕は1社目が通信系の会社で、とにかく人に頭を下げる毎日でした。それがすごくつらくて、もう誰に謝るでもなく好きなことだけしていたいなという思いがありました。そんなときにヒカキンと出会い、ユーチューバーがつくる動画の存在を知ってハマっていった。もっとよく知りたいと思って彼と話していくうちに、ユーチューバーは一人で活動をしていて、サポートする人がいないと聞きました。それなら僕が手伝おうと会社を立ち上げたという経緯です。
【田原】マネジャー業ということ?
【鎌田】最初はオンセールという会社をつくって、ユーチューバーに紹介してもらったら売れそうなものを持ってきてレビューしてもらいました。いわば広告代理店業です。そのうちユーチューバーのところにほかの会社からも商品が持ち込まれるようになって、僕らが彼らをサポートするほうがニーズはあると判断。ユーチューバーの事務所としてUUUMに社名変更しました。