小中学生のなりたい職業の上位にも顔を出すユーチューバー。そのうち4500人を抱えるUUUMは、今年8月東証マザーズに上場を果たした。若者中心のビジネスを今後どう拡大させていくのか。ヒカキンとの出会いで人生が変わったという鎌田和樹社長に、田原総一朗氏が直撃した――。

ユーチューバーは日本に何人いるか?

【田原】鎌田さんはユーチューバーの会社をやってらっしゃいますね。そもそも、ユーチューバーってどういう人ですか。

【鎌田】ざっくりいうとユーチューブで活動をしている人。狭くいうと、その活動で食べている人ですね。動画が再生されることで広告収益が立ち、企業さんからうちの商品を紹介してくれという依頼もあります。それで生活している人がユーチューバーです。

【田原】食える、食えないは別にしてユーチューブで活動している人はいま日本にどれくらいいますか。

【鎌田】おそらく1万~2万人はいるんじゃないですか。

【田原】ユーチューバーは、やはりアメリカ発?

【鎌田】はい。ユーチューブ自体がアメリカの会社でしたから。アメリカでユーチューバーはユーチューブスターと呼ばれています。2013~14年あたりからユーチューブで食べていける人が出てきて、日本でも14年あたりから火がつきました。

【田原】いま若い人がテレビを見なくなった。逆にユーチューブを見る人が増えているという。なぜですか。

【鎌田】理由はいろいろ考えられますが、大きいのはデバイスの変化。スマホが普及して、家でテレビを見る時間より、家の中や外も含めてスマホを見る時間が圧倒的に長くなった。

【田原】外でスマホを見るのはわかります。でもいまは家の中でもテレビじゃなくスマホでユーチューブ?

【鎌田】テレビは決まった時間に決まった番組をやっていて、いわば配信側が強い。一方、スマホはいつでもどこでも見られるから、ユーザー側が主導権を持ってコンテンツを選べる。スマホでは、ゲームができるし、書類を書いたりメールに返信するなど仕事もできる。また、家のテレビでの視聴時間は減りましたが、スマホで短い時間、テレビ番組を見る人は増えています。そういったさまざまな選択肢の1つにユーチューブがあるという位置づけです。

【田原】いまユーチューブを見ているのは何歳くらいの人?

【鎌田】30代より下の世代です。やっぱりテレビで育った40代以上の人は、テレビを見る。僕もいまだにテレビが大好きですし。逆にいまの10代から20代前半はテレビよりスマホで育ってきたので、テレビをつけるより先にユーチューブを見る。

【田原】僕の娘たちは50代で、ユーチューブをよく見てますよ。

【鎌田】おっ、そうですか。じつは最近は中高年の方の視聴も増えているんです。グーグルで普通に自分の趣味をワード検索すると動画もヒットして、クリックするとユーチューブに飛んだりします。それで気に入った人が、次はユーチューブで趣味の動画を検索するという現象が起きている。少しずつですが、上の世代にも浸透し始めています。