【田原】ユーチューブ動画で食っていける人は、いまどのぐらいいますか。
【鎌田】おそらく500人くらいでしょう。なかでも有名なユーチューバーになると、100~200人前後だと思います。
【田原】どういう人が有名に?
【鎌田】もちろん動画が面白い人です。
【田原】そこを聞きたい。面白いってどういうことですか。
【鎌田】人によって面白さのポイントはバラバラだと思いますが、あえていうなら、明日も見たくなるかどうか。好きなユーチューバーの動画は毎日見るというのが最近の視聴スタイルなので。
【田原】この前、ピコ太郎と対談しました。世界中でウケたというけど、正直、意味がわからなかった。いまは意味がないことがウケるのかな。
【鎌田】変な話ですが、「これが面白い」と言われ続けたら、世の中の人の何割かは勝手に面白くなっちゃうんです。昔、小中学校で「ひょうきん族、見た?」という会話が交わされていたら、自分も見なきゃという気持ちになりましたよね。それがユーチューブに置き換わっただけです。ただ、かつてと違うのは、流行の動線が1つでなくなったこと。昔はテレビで紹介されることが流行する条件でしたが、ピコ太郎は米人気ミュージシャンのジャスティン・ビーバーがツイッターで面白いといったから世界中に広がった。どこから火がつくのか、いまはわからない時代です。
【田原】いまテレビは無難すぎて刺激がないといわれています。ユーチューバーは過激だから面白い?
【鎌田】それは違います。テレビでもネットでも、守らなくちゃいけないルールやモラルは変わりません。ユーチューバーがとくに過激なことをしているわけではない。くだらないことを大勢の人で実験してみたり、普段そんなにお金を使わないものを大量買いするといった企画が過激だといわれますが、地上波のほうが人やお金をたくさん使っています。だからそこは関係ないのかなと。