常に上がっていく人、いつまでも上がらない人
とはいえ、「なれる最高の自分」を具体化すると言っても、それはなかなか簡単なことではありません。私だって、自分の「なれる最高の自分」をはっきりイメージできているかと言えば、心もとないのが本音です。
そういった状況で、私が心掛けているのは、「1年後」の「なれる最高の自分」です。ずっと先の「なれる最高の自分」を漠然と意識しながらも、具体的に「1年後」を考えるのです。「1年後」ならかなり具体的に考えられるのではないでしょうか。
私の場合は、個人的な目標として1年内に「10冊本を出版する」、「100カ所以上で講演する」「100本テレビに出る」などを掲げています。
人は、思ったものにしかなれません。成長していくイメージをしないと、時間はただ流れていくのみです。
そういった意味で、繰り返しになりますが、目標を持つということ、それも「なれる最高の自分」を意識した目標を持つことがとても大切なのです。
私自身のことで言えば、もうひとつ意識していることは、自分の「人生のステージ」が上がっているかどうかです。それも1年単位で考えます。ずっと同じレベルの仕事をしていてはだめなのです。「仕事の内容や質が上がっている」「相手をするお客さまのレベルが上がっている」「付き合う人たちの質が上がっている」……。そういうことを実感できれば「人生のステージ」は確実に上がっています。
一歩踏み込み「なれる最高の自分」を目指せば頂が見える
ビジネスパーソンの皆さんにもうひとつ、伝えたいことがあります。それは「一歩踏み込む」の大切さです。
毎日、目の前のことをこなしていく際に、あと一歩踏み込めるかどうか。「もうこれでいい」と思うのではなく、「まだやれることがあるのではないか」という視点で、自分のやっていることを冷静に分析するのです。「Good」で満足していないか。もっと高みを目指すことができるのはないか。そんな意地悪目線を自分の中に持つのです。
そこまで自分を追い込まなくても仕事はきっとこなせるでしょう。誰も文句を言わないかもしれません。しかし、私の経験上、それでは周囲から「さすが」と評価されるレベルの仕事には達していないことのほうが多い。
もちろん、時間的や経済的な制約はあります。私も少し大きな病気を経験したことがありますので、身体を壊すほどに仕事をしてはいけないと思います。しかし、制約の範囲内でも、もっとやれることはたくさんあるのではないでしょうか。
「一歩踏み込み」ながら、「なれる最高の自分」を目指して生きる。最初はちょっとしんどいかもしれませんが、やってみる価値はあると思います。続ければ、富士山の頂が見えてくるかもしれません。