「はたらいて、笑おう。」という宣伝コピーのCMが話題だ。出演者は85歳で現役の世界的スーパーモデル。「生涯現役」というパワフルで超ポジティブな“老人”になるには、なにが重要なのか――。

85歳 現役スーパーモデル「人生は自由に再構築できる」

「はたらいて、笑おう。」

総合人材サービスのパーソルホールディングス(旧テンプホールディングス)が2016年に発表したグループブランド「PERSOL」のCMやwebムービー、ポスターに共感の輪が広がっている。冒頭の言葉がそのメインのコピーだが、特筆すべきは出演者たちが「高齢」であるにもかかわらず華やか、かつ超パワフルであることだ。

その筆頭が、85歳にしていまなお現役の世界的スーパーモデル、カルメン・デロリフィチェさん。年齢的にはおばあさん世代なのに、まったくそれを感じさせない。目の前に現れたら、ひれ伏してしまいそうなオーラ。恐るべし高貴、いや後期高齢者だ。

「あのCMを見ると、明日も頑張らなきゃという気持ちになる」(26歳女性)
「職業や演出の影響もあると思うけど、全然枯れていない感じに好感が持てる」(35歳男性)

私のもとにはそんな声がたくさん届く。なぜそう感じるのか?

パーソルホールディングスのグループブランド「PERSOL」CMのグラフィック画像より(以下同)。写真は現役の世界的スーパーモデル、カルメン・デロリフィチェさん。85歳。
▼なぜ85歳にして「私に終わりはない」と言えるのか?

カルメンさんはCM内で語っている(「働くとは?」という質問に答える形式のCM)。

「人生を愛しているか? 心から愛しているわ」
「幸せは訪れるはずなのよ。人はいい気分になるようにできているの」
「私の人生では、起きること全てに素晴らしいという意識を持ち、参加し、貢献し、向上するために最善を尽くしてきた」
「私は学んだの。自分の世界は変えられる、と。人生は自由に再構築できるの」
「なぜ精力的に続けられるのか? その源は情熱よ」
「私に終わりはないの」

いやもう、カッコいいのである。「人生は再構築できる」「私に終わりはない」「精力さの源は情熱」……万能感のようなものに包まれていて、見ているこちらがうっとりするのである。モデルという職業ゆえのきらびやかさやヘアメイク術から受ける印象もあるだろう。しかし、こんな85歳が存在すること自体が私にとってはミラクルだ。どこまでも前向きで、自分を愛し、あきらめない生き方こそが、彼女の現役たる秘訣で、いくつになっても人々を魅了し続ける理由なのかもしれない。