カルメンさんのようなパワフルな老人になるために

かく言う自分(50代)はどうかと振り返ると、40代半ばにして会社(博報堂)を辞めて独り立ち。女性の欲望・心理・行動研究をする「女の欲望ラボ」を立ち上げた。終身雇用に守られていた身分から、いきなり大海原へ飛び出したわけだ。

最初は失敗もありうまく泳げなかったけれど、だんだん波のよけ方、波の乗り方もわかるようなり、自分の好きな仕事をできるようになった。というか自分にあった仕事しか来なくなった。

責任はすべて自分にあり、休むと給料は入ってこない。でも頑張れば頑張った分だけ自分に返ってくる。というのが、おもしろくなり、今に至る。いつまでこの仕事をしてるだろうか、とたまに不安になることもあるけれど、たぶんずっとやっていけるとも信じている。

まだまだこれから、なんでもできるとワクワクもしている。カルメンさんは遠い目標だが、挑戦と情熱のかけらくらいは持ち備えている。

▼100年生きる時代 人生を再構築する気概が必要

大きな組織にいるとつい甘えてしまい、ぬるま湯から出にくくなる。うまくいかないと、誰かに頼ってしまうこともある。私自身もそうだった。

不安定で先が見えない世の中だからなおさら組織から脱するのは難しい。けれど、外にはチャンスがあるかもしれない。もちろん、組織を脱しなくても開拓や挑戦はできるだろう。結局のところ、今とこれからの仕事を楽しむ気力があるかどうか、にかかっているともいえる。

人生100年といわれる時代、リタイアしても20年以上(100歳まで生きるなら30数年以上)人生は続く。「生涯現役」の気持ちで働き、世の中に貢献できるようにするためにも、今から自分の本当にやりたいことを見つめ直し、人生を再構築する気概が必要なのかもしれない。副業も積極的にするべきだろう。そうすれば、もしかたら冒頭で紹介したカルメンさんのように働いて笑える、パワフルで超ポジティブな高齢者になれるかもしれない。

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