社長の話を聞きながら考えることは、「自分がどうやったらこの人の役に立てるか」の一点。どんな要望でも、聞き出したら、全力で役に立てるように行動する。金融知識を駆使した経営面の相談はもちろん、キャラクター企画から不動産活用まで、社内の情報や自身のネットワークを駆使して、尽力する。
さらに中山氏の極意は、一回の訪問で必ず次につながる「宿題」をつくること。その内容は、保険資料からお店のリストまで様々。それをネタに次回訪問のアポをとる。しかもその宿題を、相手の期待を上回るスピード感とクオリティで仕上げる。「資料だったら、相手がそのまま社内文書として使ってもらえるレベルまでに仕上げます」。手土産も、「社長ともなればお菓子やお酒はもらい慣れているから」あえて酒の肴や高級茶づけなど相手の好みに合わせて、少し珍しいものを選ぶことで印象付ける。
契約につなげるには、もちろん決定権を誰が握っているかを探っておき、キーパーソンを押さえておくことも重要だ。そのためには話の中に出てくる小さな情報も逃さない。こうした行動の積み重ねが、顧客との信頼関係を築き、契約につながっていく。ゴルフやテニスを一緒にする仲になった数年後に契約に至ることもあるという。相手の信頼を勝ち取るため、常に一段上を行くこまやかな心配りを欠かさない中山氏。仕事を超えて、人との出会いが楽しいと屈託なく話すその笑顔こそが最大の武器なのだろう。
・相手が欲しがる“ネタ”を宿題にする
・“何でも屋”になって要望を解決する