セブン思考なら――本気でやれば同じ
それぞれの仕事の面白みを見つけ出して苦手意識を払拭する京セラ・JALセオリーに対して、セブン思考では、仕事の本質的な面白さはどれも変わらないと考える。
セブン銀行の設立時は、本体の流通からも人がきてプロジェクトチームをつくった。流通業界にどっぷり浸かっていた人にとって、銀行業は未知の世界。内心では、自分には向いていないと考えていた社員もいたはずだ。しかし、実際は向き不向きはほとんど影響しなかった。セブン銀行代表取締役会長の安齋隆氏は説明する。
「セブン-イレブンもセブン銀行も、仕事は共通しています。セブン-イレブンは独自の商品開発をして、製造にも深く関わっている。私たちがATMを開発したときも、基本的には同じやり方ですよ。お店のリクルートや、オーナーさんにアドバイスをするオペレーションの部分もかぶっている部分が多い。結局、業種や職種が違っても、仕事のキモは変わりません。そう考えると、あの仕事は得意だが、これは苦手という人は疑わしい。仕事の本質を押さえていれば、どの仕事だって結果を残せるんじゃないですか」
ちなみにセブン-イレブンからセブン銀行に出向した後、セブン-イレブンに戻らずに、そのままセブン銀行に残ることを選んだ社員も多かった。前向きに取り組めば、やりがいは見つかるのだ。
京セラ社長。1978年、同志社大工学部卒。京都セラミック(現京セラ)入社。半導体部品国内営業部長、半導体部品事業本部長などを経て2013年から現職。
日本航空客室本部チーフキャビンアテンダント。客室乗務員歴は20年超。2014年、JALフィロソフィ教育の進行役を務め、社員の意識改革にあたった。
セブン銀行会長。1963年、東北大学法学部卒業後、日本銀行入行。2001年にアイワイバンク銀行(現セブン銀行)設立、社長に就任、10年から現職。