受動喫煙防止法の対象になるか?

巻き返しを狙って、JTはプルーム・テックを今年6月から東京都内での販売を再開する。さらに2018年上期までに全国販売を行う計画だ。2018年までに数百億円の大型投資を進め、供給体制を整える。JTの小泉光臣社長は当初19年までとしていた投資計画を「1年前倒しで完了」し、「拡販体制が整い次第、攻勢に出たい」としており、フィリップ・モリスへの対抗意識を隠さない。

JTの国内での紙巻きたばこの販売数量は減り続けており、今年は初めて年間1000億本を割り込む見通しだ。成長市場である加熱式での大型投資には、こうした国内市場の長期低落傾向に歯止めをかけたいという思いがにじむ。

ただし、加熱式への大型投資にはリスクもある。政府が今国会に提出予定の「受動喫煙防止法案」の規制対象になる可能性があるからだ。塩崎恭久厚生労働相は加熱式たばこに対して「法律として書き込むことは予定していない」としながら、「施行の時点までには規制の対象とするかどうか判断したい」と発言している。この法案は、公共の場所を原則禁煙とするもので、たばこ市場全体に大きな影響を及ぼす。加熱式も規制対象となれば、今後の成長に水を差すことは間違いなく、各社の思惑は外れる。とりわけ、プルーム・テックへの大型投資を進めているJTにとっては大きな誤算になりかねない。

加熱式にあわてて取り組んだJTの判断が吉と出るか凶と出るか。今後の政治判断に注目が集まる。

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