「名門一貫校に合格しないと未来はない」と刷り込まれる親

繰り返すが「中学受験はやってもやらなくても、どちらでも良いものである」。

だからこそ冷静に見極めなければならないものなのであるが、哀しいかな「ここで受験して、有名校に合格しなければこの子の未来はない」とまで思ってしまう「刷り込み母」がたくさん実在するのである。

今回はどういうタイプの母親がこの「刷り込み」を受けやすいのかを綴ってみたい。

もし、これに心当たりがある母は中学受験から潔く撤退し、子供自身の成長を待ち高校受験へと照準を合わすか、「それでも中学受験!」という場合は自分の行動が我が子の邪魔をしていないかをよくよく注意しながら、受験道を歩んで行ってもらいたい。結局、それが家族の幸せにつながるからだ。

【中学受験をしないと我が子が落ちこぼれると思い込む母親の残念な点】
その1:全身スキャナー母

これは息子が彼女を連れて来た時に全ての母が発動する秘技であるが、女は一瞬にして相手の全身をスキャンする機能を持ち合わせている。これは女が持つ備品であるので、良いも悪いもない。

しかしだ。これを常時、作動させている母親がいるのだ。これはまずい。スキャン能力は「ここ一番」で発揮されれば十分であるからだ。

自分が属する小さな集団の中で「勝った」「負けた」と常に心の中をざわつかせていると足元が見えなくなる。他人の全身をスキャニングすればするほど、我が子は自分の目には映らなくなるだろう。

【中学受験をしないと我が子が落ちこぼれると思い込む母親の残念な点】
その2:家族をアクセサリーにする母

女性専門の就活コンサルタントに聞いた話だが、子育ても落ち着いた母が再就職でやらかすケースに「履歴書に夫の役職を書く」ということが本当にあるのだそうだ。

家族は運命共同体という「一蓮托生」的な発想なのかもしれないが、当然ながら「夫の物は自分の物」ではない。夫の年収、子供の学歴、子供がどこの塾の何クラスに所属しているか、その席順……。このように「自慢」のすべてを自分以外で固めようとすると子育ては失敗する。

なぜなら「アクセサリー」は常時輝くとは限らないからだ。

もし、アクセサリーで飾り立てたい場合は家族が身に着けたものを誇るのではなく、自分自身の内面を輝かせようと努力しない限り、我が子も自らにアクセサリーを付けようとはしないだろう。