中学受験の新年度開始!「何が何でも」受験させる母親は危ない

新年度がすでに始まっている。中学受験業界の新年度は、4月ではなく2月である。

多くの中学受験志望者は3年間の塾通いを経ての受験になるので、小学3年生の2月が初年度新学期となる場合が多い。よって、中高一貫校に我が子を通わせるかどうかの決断は我が子が小学3年生の時点(新4年生になる直前)でする、つまり今なのだ。

さて、正月明けに講談社の編集次長が妻に対する殺人容疑で逮捕された件は記憶に新しいところだが、一部報道によると「受験させたい派の妻」と「させたくない派の夫」との意見の相違があったとも伝えられている。

夫婦間の子育て方針の差異が招いた悲劇に中学受験が絡んでいるとするならば、ただただ切ない(中学受験はやってもやらなくてもどちらでも良い、つまり人生にとって、生死を賭けてまでやるものではないからだ)。

さりとて、中学受験は結果的にパイの奪い合いという構造なので、経済的にも肉体的にも精神的にも大変厳しい世界であるのもまた事実。それゆえ、夫婦の合意はもちろんのこと、ゆめゆめ「何となく雰囲気で」参入してはいけない場所なのだ。

しかし「お隣も受験するから」「中高一貫校の方が有名大学の合格実績が良いから」「公立中学だと何か不安」というような浅い動機で「我が子の特性」を置き去りにしたまま「特攻」していくケースもまた多いのが実情だ。

このように「我が子のためを思って考え抜いての受験」ではなく「受験しないと乗り遅れる」的な強迫観念を持つ母も多いのであるが、こういう「何が何でも受験させる・合格させる」発想で中学受験に突入したご家庭の予後はあまりよろしくない。ある大手塾に「NN(何が何でも)志望校別受験コース」という上位校受験者向けの教室があるが、母親だけが、いわば「NN病」に罹ってしまうと、最悪、家庭崩壊に行き着いてしまうのだ。

我が子を見ているようで見ておらず「有名私立に子供を通わせる偉いワタクシ」に酔っているだけだと、子育ては瞬くうちに「迷宮」へと入り込んでいくだろう。

それは家族の誰にも幸運をもたらさない。