あえて短気になって取り組むべきことは何か?
【2.短気になる焦点】
私たちがA、B、Cそれぞれに、あえて短気になって追い求めるべきことは何でしょうか?
(A)成果の最大化(短気の視点編)
年度や月の目標に対する激しく厳しくコミットメントすることです。もし、社内の雰囲気が、「目標は達成しなくて特にもとがめられない、大丈夫」というユルいものであれば、社員は自分の能力を超えて実力を発揮しようとはしないかもしれません。
だから、とりわけ短期の目標に関しては、個人・部下に対しても絶対に達成するという短気さが必要です。私がコンサルティングさせていただいている複数社の中で、目標に対するコミットメントが甘いところと激しいところでは全く緊張感が違います。緊張感のある企業は、「短期にも短気」の方針です。
(B)部下育成(短気の視点編)
上司と部下が、お互いに決めたことを守り、予定通り行動が進んでいるかチェックすることが重要です。行動が進んでいなければ、何がブレーキになっているのか、モチベーション不足ならばどのように高めるのかを対処します。結果そのものより、今日・明日の決めた行動を前に進めることに焦点を当てると部下育成は進みます。
たとえば、コミュニケーションの円滑化のために、朝一番、大きな声で挨拶するという行動目標を立てたとします。しかし、朝からほとんど挨拶していなければ、上司は「今日挨拶元気ないね。もっと元気良くいこうか!」とフィードバックができます。
大切なことは具体的な行動レベルでお互い「何を、どれぐらい、どうする、どのタイミングで、誰に」を決めることです。
外部で何かの研修を受けて帰ってきた部下に対しては、具体的に「上司にメールで日報を送る際に、3項目、5行ずつの箇条書きで書く」というレベルでお互い行動目標を決めます。
そうすれば、お互い何ができているのか、できていないのか振り返ることができます。具体的に落とし込まれていなければ、結果的に部下が目標達成できず伸び悩みの状態となり、部下育成する上司としても社内からフォロー不足を指摘され、無力感を抱いてしまいがちです。
(C)生産性向上(短気の視点編)
例えば、退社時間をコミットしたら、その時間までに終わるかどうか、どういう工夫をしているのか、1つの仕事あたりの生産性は以前に比べて高まっているのかを、具体的にフィードバックすることです。
特に退社時間の目標に関しては、上司と部下で決定するのはとても効果的です。生産性を向上するためには、鉄則は「制限を設けること」。つまり、退社時間に対する緊張感を持って守ることで、仕事の密度は高まってきます。
そのためには、「なるべく早く帰る」といった漠然としたものではなく、「18:30までに退社する」という数字レベルでフォローすることがお互いの生産性を高めるのに有効です。
人間は、数字を追いかける本能があります。具体化×数値化を活用してみてください。