ひたすら真面目に働いていればお金も増えて、幸せな未来がやってくるとは限らない。仕事のやり方、時間の使い方の年収別比較から「がんばっているのに残念な人」はどこがダメなのかが見えてきた。
稼ぐ人はどんな働き方をしているか
r型人間は資産運用で元手を増やし、さらに再投資を行って雪だるま式に富を増大させていくが、働き方についても知識資産を増大させる正のサイクルを持ち、収入を増やしている。彼らは、「仕事を効率化→時間的経済的に余裕ができる→自分のやりたいことに主体的に取り組む→ワークとライフの境目がなくなり、24時間が仕事に→仕事を効率化」というサイクルを持っているのだ。この働き方をr型ワークスタイル、そうでない働き方をg型ワークスタイルとして、年収2000万円以上の人と500万円台の人の働き方をアンケート結果から比べてみた。
まずは仕事の効率化に関する質問から。「仕事に優先順位をつけている」と回答した人の割合は、年収2000万円以上が83.2%、500万円台が83.4%で、どちらもr型ワークスタイルが8割を超えた。この結果からは年収にかかわらずr型が浸透しているかのように思えるが、実態は異なる。「周りに振り回されて、やるべきことが後回しになりがち」と答えた人は、2000万円以上が24.2%であるのに対して、500万円台は40.2%。500万円台は、r型を意識しつつも結果が伴っていないようだ。
なぜ500万円台の人は優先順位をつけているのに、うまくいかないのか。その原因をハイブリッドコンサルティングの吉山勇樹氏は次のように分析する。
「仕事の優先順位は緊急度と重要度のマトリックスで整理するやり方が有名です。しかし、重要度という物差しは主観が入りやすく、極めてファジー。年収500万円台の人はそれに気づかず、ぼんやりとした重要度で優先順位を決めるから後で混乱してしまうのでしょう。優先順位を決めるときは、『売り上げへの貢献度』『顧客満足への影響度』など、重要度の中身を明確にしたうえで判断すべきです」