自尊感情を持たせるために学校が取り組むこと

【4.学校では「評価」よりもプラスの自己認識】

さて、このような過剰な比較の弊害に対してどんな対策を立てればいいでしょうか。

多くの学校では、すべての子供を比較なしに認めていく、という方針を重視しています。評価はせずに、その努力や姿を認めるのです。その際、「認識している事実をそのまま言葉にする」というのが具体的な方法になります。

テストで満点をとったら「○○君は頭がいいね」よりも「満点をとったね」です。「嬉しいね」でもいいのです。頑張った事実を知っている場合「努力が実ったね」がいいこともあります(この場合は注意が必要で、努力していない場合「節穴」と思われることがあります。普段の観察が大切です)。事実である、または事実であると認識できる言葉がけが大切です。

【5.テストの点数が思わしくなかった場合は?】

テストの点数が芳しくないような時はどう対処すればいいか。この場合は、子供の様子に応じて、前向きになれる事実を言葉にします。「もっとがんばれそうだね」「このミスは次に生かせるね」などです。特に、声をかけないこともあります。

もし、比較するなら、過去の子供自身です。それも、自分自身で比較させる方が上策です。「前と比べてどう?」と聞いて「良くなっている!」と答えられたら最高です。