インターンシップには3種類ある

インターンシップには、
(1)1~2日の短期の企業広報型(事実上の会社説明会)
(2)職場体験型(5日程度のアルバイトの雑務を行う)
(3)採用前提型(2週間~1カ月の長期体験)

――の3つがある。とくに多いのは1日だけという1dayインターンシップであり、今年度は延べ約5000社が実施する(冬場に集中する見込み)。3月の解禁前の事実上の会社説明会と考えたほうがよいだろう。

実際に企業はインターンシップでどういう動きをしているのだろうか。

この夏に「サマーインターンシップ」を開催した広告業の採用担当者はこう語る。

「夏と秋、それに来年1月以降に計3回のインターシップを予定している。受け入れる社員には迷惑をかけるために職場を説得しなければならないし、日当を含めた多大なコストもかかる。それでも優秀な学生を確保できなかったら役員会で責任を追及されることになる。覚悟を決めてやるしかない」

すでに夏のインターンシップは青田刈りの場とも言われている。だが、これはという学生を見つけても選考まで引きつけておくのは容易ではない。

大手不動産業の採用担当者は次のように明かす。

「来年6月の選考スタートまでにどれだけ多くの学生と接触するかが勝負になる。そのためにもインターンシップは極めて重要であり、当社も多数の学生を受け入れるつもりだ。ただ、インターンシップで学生に内々定を出しても、来年10月の内定式までつなぎとめるには時間が相当長い。OB・OGが学生と個別に接触するリクルーターを使ってつなぎ止めるようにしている」

採用前提型の長期のインターンシップは学生の資質・能力を見抜くのに有効とされるが、当然コストもかかり、受入枠も制限される。その仕組みについて建築設計業の採用担当者はこう語る。

「受入枠が限られるので書類選考で選別するが、ほとんどの企業が大学名で選考するのが一般的。地方の有名大学の場合は都内の宿泊代プラス交通費・食事代と日当を支給する。これがAコースとすれば、Bコースは宿泊代を支給しないといった1ランク落ちる形で受け入れる。とくに有名大学で研究開発を専攻している学生はメーカーで取り合いになっていると聞いている」