英会話を練習するならどっち?

A. 英会話スクールの英米人の先生
B. フィリピンパブのお姉さん

セブ島留学やスカイプ英会話が注目されているようにフィリピン人は英語がうまい。英会話スクールで他の生徒の視線を気にしながら型通りのやり取りを学ぶより、酒でも飲みながら1対1で「英語だけでおしゃべり」をするほうが楽しいし、より実践的な練習ができる。料金も1時間2000~3500円で飲み放題などコストパフォーマンスも高い。したがって答えはB。

耳を鍛えるならどっち?

A. 英語ラジオ放送を四六時中かける
B. 1日15分間音声教材に合わせ復唱

意味のわからない音をひたすら聞き続けても、英語力向上には全く結びつかない。事前に単語を調べ和訳をし十分に研究・理解した英文を、ネーティヴが読み上げるのを聞きながら少し遅れて復唱する「シャドーイング」を1日15分しっかりやるほうがはるかに上達する。ネーティヴの発音を伴わない自己流の音読は、まちがった発音を強化するだけに終わるので注意。答えはB。

「英語耳」ができるのはどっち?

A. 海外ドラマや洋画を見る
B. TOEICのリスニングに絞り特訓

TOEIC対策本だけをやっているとどうしても飽きがくるし、伸び悩む。テストでそこそこのスコアを出せたとしても、実践の会話では使い物にならないだろう。それは英語力そのものの問題もそうだが、英米文化・社会の情報量が不足しているから。好きな洋画、テレビドラマ、洋楽、英語ニュースetc.何でも吸収して英語の「総合力」を上げるべし。したがって答えはA。

苦手な英文法、やり直すならどっち?

A. 解説書で不明な箇所だけ読む
B. 中学~高校の教科書をやり直す

文法書を最初から読むのはつまらないし、30代以上の人なら学生時代に一通りは勉強している。初歩からやり直す意味はない。『表現のための実践ロイヤル英文法』などの網羅的な文法書で不明な点だけその都度調べたり、Mark Petersenの『日本人の英語』(岩波書店)やTimothy Mintonの『ここがおかしい日本人の英文法』(研究社)などを通読するほうがよい。答えはA。

毎日書いて上達するのはどっち?

A. 日々自分がやったことを日記に書く
B. 英字紙から日々の記事を書き写す

ほとんどの人は日々同じような日常を過ごしているので、英文日記は毎日新たな英語表現が獲得できるような勉強にはならない。一方、世の中で起こったことを英字紙からそっくり丁寧に抜き書きすればいろいろな表現や語彙を学べるし、外国人と会話をする際の話題を仕入れることもできる。「書写」は昔から日本人がやってきた有効な外国語学習法だ。よって答えはB。

より語彙力を高める勉強法はどっち?

A. 単語集で毎日30語ずつ暗記する
B. 英文記事を辞書を引きながら精読

高校時代に単語集の範囲を決めて覚えさせられた経験はないだろうか。単語集をひたすら音読したり、赤い下敷きで隠しながら覚えてもなかなかモノにならなかったのでは。それより『The Japan Times』や『Newsweek』など興味のある英文記事を辞書を引きながら丁寧に読むと、関連する内容とともに覚えることができるので応用が利くし記憶にも定着する。よって答えはB。

安武内ひろし(あぶない・ひろし)
英語教育研究者。マイアミ大学大学院修了後、フロリダ電力を経て、アーサイナス大学、AT&Tベル研究所で日本語を教える。帰国後は大手予備校や大学で指導。著書に『図解 7日間で突然、英語ペラペラになる本』(プレジデント社)などがある。
(構成=渡辺一朗 撮影=相澤 正)
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