企業を進化させる11の領域で経営を全体最適化する

では企業はどのように経営を進化させているのか。それを紐解いてみると、進化には11の領域が存在することが明らかになる。

その11の領域とは、
(1)自社の強みを発揮できる有望な『市場』を見極める
(2)自社の『顧客』を明確に特定する
(3)衰退する過去の用途や役割でなく、今後有望な新たな『意味(役割や用途)』を創造する
(4)他社に真似されない、新たな価値を提供する『製品』を生み出す
(5)収益を最大化できる仕組みを考え、顧客にとって魅力的な『価格』を実現する
(6)付加価値を高め、『ブランド』によって優位性を発揮する
(7)モノ(製品)にサービスを付加して、『サービス』化を図る
(8)従来にない収益の上げ方として、新たな『課金方法』を生み出す
(9)企業と製品の価値を高める『販路』を見出す
(10)独自の『販売方法』に取り組む
(11)ネット検索時代に対応して、情報の受発信を行う『コミュニケーション』を実践する
を指す。

さらにこの11の領域で個別に最適化を図るのではなく、11の領域全体で経営を最適化して、経営を進化させることが必要だ。

これから始まる本コラムでは中堅中小企業にスポットを当て、時代の流れを越えて企業がどのように経営を進化させているかを、11の領域ごとに紹介し、全体最適に向けた視点を交えて解説していく。

酒井光雄(さかい・みつお)
1953年生まれ。学習院大学法学部卒業。日本経済新聞社が実施した「経営コンサルタント調査」で、「企業に最も評価されるコンサルタント会社ベスト20」に選ばれたマーケティングのコンサルタント会社、ブレインゲイト代表取締役。著書に『価値づくり進化経営』(日本経営合理化協会)、『全史×成功事例で読む「マーケティング」大全』『成功事例に学ぶ マーケティング戦略の教科書』(共にかんき出版)、『コトラーを読む』『商品よりもニュースを売れ! 情報連鎖を生み出すマーケティング』(共に日本経済新聞出版社)、『中小企業が強いブランド力を持つ経営』『価格の決定権を持つ経営』(共に日本経営合理化協会)、『図解&事例で学ぶマーケティングの教科書(マイナビ 監修)』など多数ある。日経BP社日経BP Marketing Awards(旧名称 日経BP広告賞)の審査委員を務める。

 

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