お酒を飲みつつ自習できる大人環境

別視点からMBAを紹介すると、この学校はおそらくセブの中でもっとも飲酒に寛容な学校だ。前の回で述べたように、セブ島留学はもともと韓国人大学生が就職前にスパルタ式で英語を伸ばすための合宿所としてつくられたため、門限があったり、厳格な飲酒禁止ポリシーがある学校が少なくない。これは、放っておくと遊んでしまう学生の留学生活を取り締まるためのルールだ。

しかし、ここMBAは大人のための学校。やる気のある人は自分から勉強するし、そうでない人もたまにはいるが、それも自己責任だ。賢明に仕事をした後のビールがおいしいのと同じように、7時間集中して勉強したあとのお酒もおいしい。ビール片手に明日の授業の準備をしたって、ビジネスパーソンにとってはなんの問題もないと個人的には思う。こうした点でも、いつものライフスタイルのまま勉強できる環境がここにはある。

MBAには1Fに「AJITO」という食堂兼BARが併設されており、日本からきた気さくなシェフがつくる日本食が提供されている。生徒同士が共に勉強や、情報交換をしている。実際筆者も、ずっと付き合っていきたいと思える友人ができた。(上)/授業ごとにノートをファイルし、いつでも見られるように保管している。英国に戻った今でも、英語学習時に頻繁にこのノートを振り返っている。どんなテキストよりも自分に向いた、とても大切な専用のテキストが出来上がった。(下)

すべてを語り尽くすことはできないが、ビジネスパーソンに英語を教えるプロ集団が個々のニーズに合わせ、一緒になって英語力の成長にコミットしてくれる様子が伝わっただろうか。MBAのような「セブ留学の新たな潮流」これこそ筆者が英語の必要性に直面しているビジネスパーソンに最も伝えたかったことである。

そうはいっても、セブ島留学に出かける時間はしばらくの間とれそうもないという方にも朗報がある。この春より同校ではオンラインクラスと渋谷校をスタートさせている。スタート直後につき体験レッスンなども用意されているようなので、興味のある方は覗いてみてほしい。料金なども、公式WEBサイトを参照のこと。

MBAオンライン:
https://mba-cebu.asia/online/
MBA渋谷:
https://mba-cebu.asia/shibuya
MBAセブ校:
https://mba-cebu.asia/

次回、最終回では、MBAで本気に英語を勉強した3名のビジネスパーソンに、その成果や現在感じていることを話してもらう。

 

高野美穂(たかの・みほ)●スタイルクリエイト代表、英国在住コミュニケーションコンサルタント。1979年、東京都生まれ。大学卒業後、ベネッセコーポレーション入社。進学情報誌の編集を務めた後、2005年にコンテンツ制作会社を設立。以来、執筆・企画制作のほか、ビジネスシーンでのイメージコンサルティングやメディアを通じたコミュニケーション分野でも活動。その延長として日本人の英語習得法に関心を持つ。2014年に渡英。ラグビーW杯英国大会においても精力的な取材活動を展開した。著書に『夢がかなう 「いろの魔法」』、『ストーリーでしっかり身につく 今どきのビジネスマナー』、『W杯イングランド大会ラグビーファンみんなの観戦記』(共著)ほか多数。
スタイルクリエイト http://style-create.jp/

(高野美穂=写真)
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