“学校を休む”“薬も必要に応じて”と聞くと不安になる方も多いかもしれないが、安心してほしい。うつは治らない病気ではないのだ。高橋さんは、「カウンセリングだけで症状がよくなることが多い」と、自身の経験から自信を持って語る。

また、初期段階であれば簡単な予防法もある。

「うつはさまざまな原因から脳の血流が悪くなっている状態です。そのため、頭を上下に振るおじぎ運動をしたり、体を動かして本気で遊んだりすると、血流がよくなって自然と心が安定します。また、血流を良くするために、梅肉エキスを寝起きに1さじ食べるのもいいでしょう。また、人の体は眠ることで血流が良くなる仕組みになっています。よく寝るだけで心が安定する子供も多いのです」(諸富氏)

有効な治療法はあるものの、やはりできることなら予防してやりたいのが親心。子供がうつにならないよう、親ができる対策について聞くと、諸富さんは「自己肯定感を育てることが重要」と教えてくれた。

「普段から子供に“自分のことは自分で”やらせるようにしましょう。また、普段から話を聞いてやると“愛されている”という実感が湧いてきます。自己肯定感を高めるには、“親から必要とされているんだな”と感じさせてやることも大事です」

春は学校や塾も環境が変わり、子供も親もストレスがかかる季節だ。もし、わが子が辛そうだなと思ったら、ためらわずに心療内科・精神科へ行ってほしい。

【子供の心の異変に気付くためのチェックリスト】
□ ゆううつ、落ち込んでいる状態が2週間以上続いている。
□ 以前は楽しんでいた遊びや娯楽に取り組まなくなった。
□ 寝不足、寝過ぎ、いつもより1時間以上早く起きることがある。
□ 以前に比べ、疲れやすくなったように見える。
□ 勉強などへの集中力の低下や忘れ物、探し物が増えた。
□ 食事の量が目に見えて減った。
□ ちょっとしたミスや怒られたことを引きずるようになった。
□ 話しかけても以前と比べ、反応が薄い。対応が素っ気ない。
□ 自分に自信がないかのような発言が増えた。
□ 物に当たる、暴言を吐くことが増えた。
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