脈ありは「一人では壁乗り越えられなかった」
同じく製薬会社の人事担当者もこう指摘する。
「これまで壁にぶつかった経験を聞き、どうやってそれを乗り越えたのかを質問すると『自分はこうして乗り越えました』と言う人もいれば、『自分はこう考えたのですが自分一人では無理なので誰かに相談して助けてもらいました』と言う人もいる。採用したいのは後者だ。職場の仲間やチーム、あるいは上司からうまくサポートしてもらうことで問題を解決に導くことが組織では最も大事なことだ」
つまり、面接官は自慢話を聞く気は毛頭ない。
個人は非力な存在であり、それを自覚し、足らないところを学習し、周囲の支援を得て物事を遂行できる能力があるかどうかなのだ。
食品会社の人事担当者も「成し遂げた実績よりも周りにどうやって助けを求めたのか、周囲を巻き込んで成果を上げてきたのかをしつこく聞いている。成果を自慢げに話すことなく、周りの人たちとの協力関係を強調する人は入社後もうまくやっているし、成果も出している」と語る。
成果を上げようとしてスタンドプレイに走る人は好まれない。
1人ではとうてい無理だと自覚し、自分の立ち位置を明確化し、仲間やサポーターをいかにたくさん作り、それが結果的に自分に成果に結びつくことに気づいている人ほど採用されやすいということだ。