就職難易度ナンバーワンともいえるコンサルティング業界に通る書類とはどんなものか。難関をくぐりぬけた実例を解読してみる。
仕事で培ったスキルをもとに、いつか転職してステップアップしたい。そう考えているのであれば、まず知っておくべきは履歴書の書き方だろう。
「人気の企業や職種であれば応募は殺到します。その中で、企業側が最初に目を通すのが履歴書ですから、『この人はちょっとヘンだな』と思わせないこと、そして『この人物なら会ってみたい』と思わせることが何より重要です」
「ムービン・ストラテジック・キャリア」の代表取締役社長、神川貴実彦氏は言う。同社は、マッキンゼー、ボストン コンサルティング(BCG)、ベイン・アンド・カンパニーなどのコンサルティング会社に日本で最も多くの人材を送り込んでいる人材紹介会社だ。神川さん自身もBCGのコンサルタントとして働き、そこでの経験を踏まえて2000年に同社を設立している。
「コンサルタントの仕事は、形の見えないものに対してお金を払ってもらうという特殊性があります。業務にあたっては、論理的思考力や問題解決能力が求められますが、それに見合う人材であるかどうかを見極める。他の業界よりも書き方は難しいですね」(神川氏)
今回はその最もハードルが高いコンサルティング会社に採用された人の履歴書を例に、書き方のポイントを学んでみたい。
まずは市販の履歴書用紙に氏名や住所から、学歴、職歴など必要事項を書き込み、封筒に入れてポストに投函……?
「いまどき履歴書を郵送なんて、ほとんどありませんよ。パソコン画面上に入力して送信します。その際に、職務経歴書や志望動機書を添えるのが常識です。履歴書はできるだけ簡潔にまとめ、具体的な内容は職歴書と志望動機書に書く。履歴書1枚で応募できるのは、アルバイトぐらいですよ」(神川氏)