ところで、気になるのは、一般の履歴書にある語学や特技の欄の書き方だ。たとえば、TOEIC700点台という場合、書くべきなのか。
「コンサルタント志望で売りにしたいならTOEIC900点以上が必要。それ以下なら、むしろ書かないほうが得策です。ちなみに、一般企業では730点がボーダーラインと言われています。まあ、700点台なら書いたとしても、アピールにはなりませんね」(神川氏)
英語以外の言語ができるのも、ビジネスでは英語が公用語のため注目度は低い。そんな現状において、比較的、武器になるのは中国語だ。中国に販路を拡大しようという企業が多い昨今、中国語ができるのは重宝がられるという。
ちなみに、趣味や特技の欄についても書き方に注意したい。たとえば、趣味がゴルフの場合も、ただスコアを書くのではなく、顧客とのコミュニケーションに役立った、とすればアピールにつながる。
書類を万全に整えたところで、いよいよ応募となるわけだが、実は職歴書や志望動機書の前に、採用担当者が目を向ける欄がある。現職や前職の会社名、年齢、そして学歴だ。コンサルタント業界では、これらの3点で足切りされるのが現実だ。
「会社名は名の通った大企業であれば問題はありません。特に戦略ファームは有名企業にいた人材を好みます。顧客に有名大手が多く、コンサルティングをするうえでも社内の仕組みが理解しやすいといった利点があるんですね。年齢は、募集要項に合致していることが大前提。コンサルタントは特殊な仕事なので、未経験者は育てる時間が必要になる。そのため、30歳前半で区切られているケースが多いですね」(神川氏)
学歴についても戦略ファームと言われるところは東大、京大、一橋、東工大に旧・帝大まで。私立では早稲田、慶応、上智クラスがギリギリだという。
「偏差値が高いということで、論理的思考に長けていると判断されるのです。でもこれは、あくまでマッチングの問題。コンサルティングにはそういう人が向いているというだけで、入るのが難しいとかそういう問題じゃないんです。一般の会社ならいろんなタイプの人間がいて商売をしますが、コンサルティングは弁護士と同じで、均質化されたプロフェッショナルしか必要としていない。それでも入社したいと思うのなら、会社のホームページなどでコンサルタントのプロフィールを確認するといいでしょう。自分に合う会社かわかる目安にはなりますし、もしかしたらチャンスがあるかもしれませんよ」(神川氏)