会社の入社試験で「日本に傘は何本あるか?」と出題されたら、どう答えればいいのか。東大カルペ・ディエムによる『一流企業の入社試験』(星海社新書)より一部を紹介しよう――(第1回)。
会社の面接
写真=iStock.com/takasuu
※写真はイメージです

なぜ一流企業の入社試験で「フェルミ推定」が出されるのか

「フェルミ推定」について、具体的な入社試験問題を例にしつつ解説していきます。フェルミ推定とは、実際に調査や計測をすることが難しいデータに対して、前提条件や調査できる範囲の情報をもとに、論理的に大まかな推定値を導くことです。

フェルミ推定はビジネスの現場でも大いに活用されていますが、就職活動の際に実施されるフェルミ推定では、解く人の論理的思考力が評価されます。

「御社で働きたい」と、どれだけすばらしい志望動機があっても、論理的思考力がないと実際の仕事ができませんよね。そのため、企業は入社試験でフェルミ推定の問題を通じて思考力を問うのです。

「フェルミ推定って苦手なんだよな」という人にこそ、ぜひ本章の問題を通じて、たくさんの経験を積んでもらいたいです。フェルミ推定は問題を繰り返し解くことで、力をメキメキと伸ばすことができるからです。

ちなみに、実際に入社試験で出題された問題には、次のようなものがあります。

2020年度のアルコール除菌関連の売上高を推定せよ(EYストラテジー・アンド・コンサルティング、外資系総合コンサル企業)

ある居酒屋の一日の売上を推定せよ(ベイン・アンド・カンパニー、戦略系コンサル企業)

現在のEV普及率を推定せよ(アクセンチュア、IT企業)