強みは「リアクション」

スーパーラグビーの特徴は、プロとしての「エンターテーメント性」である。ボールがよく動く。インプレー(ボールが継続する時間)が比較的長く、パスやランのトライが頻繁にみられる。サンウルブズもそこを意識し、その上で勝たないといけない。

上野CEOは言う。

「試合の結果がすべてだと思います。そして、観客がどう見てくれるかでしょう。選手は“プロ”としておカネを稼いでいかないといけないわけだから、マインドをチェンジしていかないといけないし、我々も変えていかないといけないでしょう」

そうは言っても、他のチームはメチャクチャ強い。サンウルブズの魅力は? と聞けば、日本代表ウイングの山田章仁はこう、言った。

「ほかのスーパーラグビーのチームに比べて、しっかりシェープをつくろうとしているし、ひとりひとりのリアクションが速いところですかね」

シェープとは、連動した攻撃で相手守備陣を崩すことを意味する。要はスピードと体力勝負。相手にターゲットを絞らせないよう、複数による波状攻撃を仕掛け、しつこく組織で攻めていくことである。

サンウルブズとしては、個のフィジカル、体力をアップさせ、どうチームとして結束させていくのか。戦術、戦略の徹底、連係アップが必要となる。

準備期間は短い。「未完の魅力」と、37歳の大野均(東芝)は強調した。

「サンウルブズは新しいチームです。これまで歴史がないじゃないですか。僕らがどういうプレーをするかで、これからのチームの方向性が決まっていく。いままで経験したどのチームとも違うスタイルになるのでしょうか。キャラクターがいい選手がそろっているので、これからどうなるのか。きついと思うより、楽しんでやったほうがいい」