【Q】「量をこなすと雑になり質が下がります」と部下が仕事を拒否する。
本当に作業負荷が高い状態なのか否かによって回答が異なるのですが、パンクしてしまうほど負荷が大きい場合、これは部下の仕事量を把握できていない、あなたも責任があります。こういう場合は、担当部署全体のワークロードを可視化して、部下の仕事量を管理することが急務です。
部下が楽をしたくてそう言っているのなら、その作業が部下のキャリアアップにどのように寄与するのかを説明してあげてください。単純なデータ入力でも、中身を理解し、知識を蓄積しようという意識で入力していくと、その分野に関しては、その部下が一番詳しくなります。詳しい分野が増えれば増えるほど、周囲からの信頼も高まり、部下も仕事が楽しくなるはずです。
質の問題ですが、こちらが求めているより過剰であることが、ままあります。たとえば社内資料のグラフ作成。デザインに凝って時間をかけるのは過剰でしょう。求める質のレベルの合意も必要です。
【Q】部下の動きを、いまひとつ把握できていない。
どんな仕事にも決定事項とToDo(やるべきこと)が常に発生し続けます。部下の動きも含め、業務全体を把握するためには、作業を一覧で管理できる定型のフォーマットの作成が中間管理職には不可欠。具体的には、依頼人、依頼された日、その内容と補助的な情報、さらにいつまでに解決すべきか、結果を報告する相手といった項目を列で区分した「ToDoリスト」をエクセルで作ります。記入のルールをつくっておけば、新しく発生する案件も、決められた通りに入力するだけでいいので、やるべきことを整理する負荷を軽減できます。
そして自分のだけでなく、チームの「ToDoリスト」を可視化し、全員で共有します。私の場合は、リストを確認しながら朝と夕方にチームミーティングを行っていますが、朝はその日、誰がどこで何をするのか確認し合い、夕方に結果を確認。そこで発生した新しい情報を共有すると同時に、明日の作業をシミュレーションします。その際にチームの「ToDoリスト」が手元にあると、作業の漏れや齟齬を未然に防ぐことができるのです。また、以前に手がけた仕事と同じような案件が発生した場合も、かつてどういう進行状況だったかが確認でき、効率的に段取りが組めます。