私がクールジャパン戦略にかかわったワケ

私の本業は企業をクライアントとする経営コンサルティングですが、一方でクールジャパン戦略のような産業政策や、「NeXTOKYO」のような都市計画にもかかわってきました。

これらの取り組みは、A.T. カーニーのビジネスのコアドメインではありません。それなのになぜこれらのプロジェクトに首をつっこむのか。それは「自分がわくわくできる仕事をしたい」「仕事を通じて社会にインパクトを与えたい」という思いが強いからです。

近年は、日本でも社会起業家が増えてきました。おそらく彼らも、社会を良くしたいという志と自分のワクワク感が一致しているクリエイティブクラスでしょう。若い人を中心に、このような人たちが現れ始めたことはとても頼もしいと思います。

一方、日本のビジネスエリートたちの社会活動には、やや物足りなさを感じることもあります。若い社会起業家に比べると、彼らはさまざまなリソースに恵まれています。ビジネスの経験とスキルが豊富ですし、会社の資金や信用、ネットワークなどを使える場合もあります。それなのに、それらのリソースを活かして、社会に大きなインパクトを与える動き方をしないのはもったいない。

グローバルエリートの多くは、持てるリソースをフル活用して社会にコミットしていきます。日本のエリートたちも、もっと視野を広げるべきです。

自社の業績向上に貢献するだけでなく、事業を通して、あるいは事業とは別のかたちで、社会により大きなインパクトを残していく。そんな働き方に魅力を感じる人が増えてくれば、日本はもっと面白くなるのではないでしょうか。