人気の格差の正体は……
僕は、人気の格差は「愛情の格差」でもあると思っています。
学校での成績や習い事の成果が優秀だったとしても、「また100点、あなたはずごい」「一等賞で、誇らしい」といってその点数や順位、結果ばかりを評価されていると、自分は「優秀という条件付き」だから価値がある、と思うようになってしまって、自己肯定感を持ちにくいようです。もちろん、その家族に愛情がなかったわけではないのでしょう。でも、どうしても成績優秀だとその結果ばかりを評価してしまいがちです。
そうやって「条件付き」で育つと、進学や就職もうまくいって一見順調な人生を歩んでいるようにみえても、無条件には自分の存在を肯定できず、自分の存在意義や立ち位置を守ることに必死になり、勉強や仕事のライバルを攻撃したり、ひどく妬んだり、時には傷つけたりしてしまう人が多いようです。こうなると、なにかピンチに陥った時や、うまくいかなかった時、もしくは何かにチャレンジしようとする時に、それこそ“人気”がなくて、同僚や仲間から応援してもらったり助けてもらったりすることができなくなってしまいます。
学校や会社、ありとあらゆる社会生活において、評価や価値の「条件」はついてまわります。それでも、僕たちはどこか未熟で不完全な存在であり、思わぬ激変に巻き込まれ「なにものでもない」ちっぽけな存在に立ち戻ってしまった時にも、それを受けいれてもらうことができる人気と愛情を持った人間でいたいものです。