なぜあの上司に人はついていくのか──。彼らが無意識にでも実践しているリーダーシップ哲学がある。もはや「オレについてこい!」だけで部下は動かない。今、注目を集める理論を紹介しよう。

「優しい人」とはどこが違うのか?

「召し使い」を意味する「サーバント」と、組織を導く「リーダーシップ」という正反対の言葉を結合させたサーバント・リーダーシップとは「リーダーである人は、まず相手に奉仕し、その後に相手を導くものである」というリーダーシップ哲学である。この理論は部下に対して明確なミッションやビジョンを示し、それを遂行するメンバーに奉仕するリーダーシップと定義される。

上司は自分のミッション、ビジョンを実現させるための道具として部下がいると考えるのではない。それを実現するためにメンバーが行動してくれる。ゆえにそのメンバーがより活躍しやすいようにと環境を整え、支えるのがリーダーの役割だと考えるのだ。