マネジャーが権限委譲を嫌がる理由はさまざまだ。部下にやらせるより自分でやったほうが早いと思い込んでいたり、自分が不要と思われるのが怖かったり。だが、何でも自分で抱え込むマネジャーこそ、組織のボトルネックなのである。
部下が問題解決力や意思決定力などの職業能力を高められるよう、手助けをするのが役員やマネジャーの仕事の重要な一部である。つまり、直属の部下の問題を何もかも引き受けるのは望ましくない。しかし、厳しい時間的プレッシャーにさらされているマネジャーは、「モンキー=部下の問題」を渡されそうになるとどうするか(「モンキー」というのは、ウィリアム・オンケン・ジュニアとドナルド・L・ウォスが、1974年に「ハーバード・ビジネス・レビュー」に投稿した「Management Time: Who's Got the Monkey?」に由来する言葉)。
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