女性の感情に寄り添って謝る
では、泣かないまでも、かんかんに怒っている女性に対してはどう接すればいいのだろう。
「怒っている人を見るのは男性も慣れていますし、男女の差はあまりない。ひたすら謝り、怒りの感情をきちんと吐き出してもらうことです。怒りを鎮めようと、なだめるのはNGです」
ミスが起きた経緯の説明や今後の対策の報告も、相手が落ち着いてからにするのがベター。
こちらのミスでトラブルが起きてしまった場合、相手の担当者が男か女かで怒りの差が表れることもある。謝り方も変わってくる。
「男は世界、女は世間でものを見ます。相手が男性の場合〈わが社の損害は……〉と会社目線で憤りますが、女性の場合だと〈せっかく私が一生懸命進めてきたプロジェクトなのに……〉と個人の視線になる。女性に対する謝り方の原則は、女性の感情に寄り添って謝ることです。例えば〈せっかく○○さんが始められたプロジェクトで、寝る間を惜しんで準備されてきたにもかかわらず、今回の私のミスで台なしにしてしまい、がっかりされていると思います。本当に申し訳ありません〉といった具合です」
好印象とか好感度が女性の場合、ものすごくものをいう。感情的になった女性は扱いにくいが、逆転の発想でいえばそれはチャンス。対応が上手にできると〈あの人はフェアだ〉〈あの人は私の気持ちがわかってくれる〉となる……かもしれない。
作家・心理カウンセラー。近著『察しない男 説明しない女』が20万部を超えるベストセラーに。東京大学教養学部卒業後、角川書店、博報堂を経て独立。「コミュニケーション心理」を主なテーマに執筆。米国CCE,Inc. 認定GCDFカウンセラー。