例えば動脈硬化のある人が、55歳で勃起不全になったとすると、その人は数年たって心臓にいく血管も狭くなり、狭心症や心筋梗塞で命を落とすリスクがある。というのも心臓の冠状動脈は陰茎の血管よりも若干太いために、勃起障害の症状が出たときに狭心症が出るほどの閉塞は起こらないからだ。高血圧症があって、それから勃起障害になった人は、将来の心筋梗塞を防ぐために循環器系の検査を早めに受けることが健康を保つ秘訣になる。

勃起障害の予防には、生活習慣病にならないように注意すること、健康に気をつけること。アルコールのとりすぎ、たばこも原因になる。ふだんから過食による脂質代謝異常症を防いでいれば、年を取ってからも健康な性生活を送ることができる。

勃起障害になったときにはいろいろな治療方法があるが、泌尿器科の専門医を訪ねると最初に勧められるのがバイアグラやレビトラ、シアリスの勃起障害治療薬だ。この3種類の薬は製薬会社の説明によれば、バイアグラは陰茎の硬さが最も強い、レビトラは内服前に食事をしても効果が影響されにくく、効果が出るまでの時間が短い。シアリスは持続時間が約36時間と長いため、服用後に時間にとらわれずに性交ができるなど、それぞれ特徴がある。

しかし、勃起に対する効果と副作用については3種類の薬とも大差はなく、自分のライフスタイルに合わせて選べばいいだろう。処方は保険適用外となり、1錠あたり1500~2000円程度だ。

(吉田茂人=構成 小倉和徳=撮影)
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