マークを縁取る色には、パッケージで使えなかった青を使いました。白の上に青を重ねてソリッドな質感にすることで、マーク全体を目立たせています。マークの真ん中の星形部分も同じく青にしようと最初考えましたが、それだとおとなしすぎて目立たないし、どうしても歯みがき粉っぽくなってしまう。だから、お菓子らしさを表すために赤を使いました。暖色が入ることで寒色も引き立ち、華やかな印象も生まれました。
では、青の外側を縁取るシルバーのラインは何か。これは、緑と青という近い色を隣り合わせにせず、それぞれの色味を保たせるための工夫です。また、印刷でわずかなズレが生じたときに、青の下に敷かれた白がはみ出さないようにシルバーのスペースが役割を果たしています。
ロゴのデザインで心がけたのは「XYLITOL」という文字をいかにクリアに見せるか。「X」と「Y」を見ると、2つの英字はくっついていることがわかります。英字の字間をすべて均等にすると、右側が空いたXと左側が空いたYの間隔は実際よりも大きく見えてしまうからです。文字の間隔一つとっても、手に取る人に違和感を与えるデザインでは、ロングセラーにはなりません。
発売以来17年売り上げナンバー1
1997年に発売して以来、17年連続で売り上げ1位(※インテージ社SRIデータ調べ。ガムカテゴリーマーケットサイズ〈販売金額〉97年4月~2014年3月)。白樺や樫などの樹木や植物から作られる天然由来甘味料「キシリトール」を日本で初めて使用したデンタルサポートガムであり、食品で初めての日本歯科医師会推薦商品。2007年にデザインをリニューアルし、同年、8月にグッドデザイン賞受賞。
1955年、東京生まれ。79年東京藝術大学デザイン科卒業、81年同大学院修了。電通を経て、84年佐藤卓デザイン事務所設立。「明治おいしい牛乳」など代表作多数。NHK Eテレ「にほんごであそぼ」アートディレクション、「デザインあ」総合指導など活動は多岐にわたる。