行動を細かく管理することで時間をつくる

趣味を持ちたくても、仕事に忙殺されてなかなか時間が取れないという人もいるはずだ。そこで、お手本にしたいのは、佐々木さんが実践しているスマホでのスケジュール管理だ。起床から就寝までの行動が入力された予定表には、朝の散歩から、健康体操、妻との会話の時間までがしっかりと組み込まれている。こうして予定をしておけば、忙しい中であっても時間の確保ができる。「今年こそ」と考えている趣味を、予定に加えてみるといい。

「ただし、それまでの自分の生活に新たな時間を組み込むのは、習慣の“破壊”になります。それが楽しくなければ、元に戻そうという力が強く働いて3日坊主で終わることも。大切なのは、自分がやりたいことをやることです」

今まで家でゴロゴロしていた人が無理に「山登りをして自然に触れよう」と思い立っても計画倒れで終わる可能性は高い。かえってストレスをためる事態になりかねないのでご注意を。

西多 昌規(にしだ・まさき)
精神科医・医学博士
自治医科大学精神医学教室講師。1970年、石川県生まれ。東京医科歯科大学医学部卒業後、国立精神・神経医療研究センター、ハーバード・メディカル・スクール研究員を経て現職。
 
佐々木 正悟(ささき・しょうご)
心理学ジャーナリスト
1973年、北海道生まれ。獨協大学卒業後、ドコモサービス勤務を経て、米・アヴィラ大学心理学科卒業、ネバダ州立大学リノ校・実験心理学博士課程に移籍。2005年帰国。専門は認知心理学。
(撮影=向井渉、宇佐見利明)
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