──共和党の大統領候補者として相応しい人物をお教えください。

12年には、共和党はお金持ちと批判されやすく、モルモン教という少数派の宗教に属しているミット・ロムニーを大統領候補者として抱えてしまったことが問題だった。彼は不人気だった。しかし、現在、民主党に比べて共和党側は非常に優秀な大統領候補者を多数有している。ランド・ポール氏のような上院議員も有力な候補者であると考えるが、次回の大統領選挙では行政経営の手腕がある人物が注目されていくことになるだろう。なぜなら、前回の大統領選挙で選ばれたオバマが「議員としてのスピーチがうまいだけで、経営者として自分が何をしているのかもわからなかった」という致命的な欠陥を持っていたからだ。共和党側の候補者たちは「我々はオバマとは違う」という形で自らをアピールすることになるだろう。そこで、州知事経験者は州政府のマネジメント経験を有しており、経営者としての能力があるということになる。具体的には、前回の大統領選の予備選挙でも有力な候補者だったリック・ペリー・テキサス州知事、労働組合に対して断固たる姿勢を貫くスコット・ウォーカー・ウィスコンシン州知事、理路整然として勤勉なインド系アメリカ人のボビー・ジンダル・ルイジアナ州知事、クリス・クリスティ・ニュージャージー州知事などが有力だ。

アメリカ共産党 
ジェブ・ブッシュ氏(時事通信フォト=写真)

一方、最有力候補者として名前が挙げられるジェブ・ブッシュであるが、彼には良い面・悪い面の2つの特徴がある。良い面は非常に名前が知られていること、悪い面は彼の名前がブッシュであることだ。ヒラリーがすでに時代遅れの存在であるのと同様に、「ブッシュ」も、息子であり、弟であり、時代遅れの印象はぬぐえない。彼の州知事時代の実績は素晴らしいが、それも記憶の中で過去のこととして薄れてきていることは間違いない。現在、彼はコンサルタントやロビイストとしての仕事をしているが、公職についているわけではない。したがって、彼も楽勝が予想される人物ではない。