──これまでのオバマ政権の政策をどう評価されていますか。

オバマ政権が誕生して即座に実行したことは増税だった。オバマケアは非常に心地良く聞こえ、誰も新たに金銭的な負担を行うことなく実行されるように誤解していたが、事実は違うものだった。驚くべきことにオバマケアに関連して20件の税金が増税されている。そのうちの8件は明らかに中間層を標的にしたものだった。たとえば、オバマの公約では年収20万ドル以下の人々には増税しないと約束されていたが、大統領に就任して16日間でこの約束は破られた。平均年収4万ドルの喫煙者に対していきなり増税したのだ。

さらに、現在でもオバマがすることを理解しようとするのは難しい。オバマが行っていることは経済界から金を吸い上げて、それを経済界にもう一度戻して、まるで自分が何かを与えたかのようなフリをしているだけだ。その有り様は湖の片側から水を汲み上げて同じ湖に反対側から同じ水を戻して「どうだ」というようなものだ。彼の政権下における景気回復は非常に弱いものだ。本来であれば、第二次大戦以降の平均的な景気回復を実行できればより多くの雇用を創出できたはずであり、仮にレーガン政権の景気回復と同じペースで景気が上向きになれば、さらに1200万以上の雇用を生みだすことができたはずだった。そもそも大きな景気後退の後には景気回復するものなので、オバマ政権下でも景気が緩やかに回復していること自体は当たり前のことでしかない。問題はそのペースである。だから、オバマや彼の政権が「景気が回復しているのに、どうして国民は泣き言を言っているのか」と述べることは間違っている。本来は患者の怪我が完治しているべきときなのに、まだ腕が折れたままの状態なのだから。それにもかかわらず、オバマは徐々に回復しているので駄々をこねるな、と言っている。これではオバマへの評価が国民的な大人気から「何もわかっていない」「もうこりごりだ」という批判に変わるのも当然だ。