国民の大半は税金を上げることに本音では反対しているため、潜在的な共和党員であると捉えることができる。しかし、私が無党派層のところに出かけて「私は共和党員です」と名乗れば「なるほど。しかし、私は共和党員ではありません」という反応が返ってくるだけだ。そして、彼らは「私は共和党が掲げる公約に賛成することが多いのですが、あなたが筋金入りの共和党員ならば、この政策のここはおかしいですよね」と続けて質問してくるだろう。無党派層を十分に納得させることが必要だ。たとえば、父親のほうのブッシュ大統領は最初に大統領に当選したときに無党派層を納得させるように行動したが、2度目の当選時は約束を違えて米国民に対して増税を実施したために無党派層からの支持を失って敗北した。共和党の大統領候補者として相応しい毅然とした政策スタンスを示し続けることが大切だ。
パパ・ブッシュの轍を踏むな
もう一つのポイントとしては、外交政策において無分別に戦争という選択肢を取るという印象を持たれることなく、強力な国家防衛を敷くということをアピールすることも欠かせない。イラクやアフガニスタンで行ったような戦争をもう一度繰り返したいと考えているように思われる候補者は大統領選挙に勝つことはできないだろう。かつての共和党員はブッシュに対して反旗を翻すことはなかったものの、最終的にブッシュに対する熱をすっかり失った。彼と同じ過ちを犯してはならない。
大統領選の候補者は、自由な社会を守るために、税金や規制と戦い、そして次世代のエネルギー開発に取り組む姿勢を明確に示すことが何よりも重要だ。このような力強い方針はレーガン政権の頃から不変である。共和党本来の政策目標を掲げて戦うことが勝利への近道だ。
(渡瀬裕哉=取材・構成 マーク・アベラ=取材協力 時事通信フォト=写真)