効率を生む「サイレント・サービスデー」

フリード氏のちょっとエキセントリックな提案とは「サイレント・サーズデー」だ。それは、1カ月に半日だけ、オフィスでは互いに話しかけないようにすること。これだけで、膨大な量の仕事が片づくという。つまり誰もちょっかいを出したり邪魔したりをしない状態をつくる、ということだ。

あくまでも「エキセントリックな提案」であり、手放しで受け入れられる案ではないが、理屈には一理ある。この半日を生み出すためには、唐突な会議、長時間かけても決まらない議題についての話し合い……などを削除するといった、時間のやりくりが必要になるからだ。

「仕事を片づけたいのでオフィスへ行きます」と言われるためには、新しいコンピューターやソフトウェアなどの仕事のツールよりも、まずはオフィスで仕事に集中できる時間を提供すること。メールを自分のタイミングで使い、必要がないときにはログオフするように、会議やボスからもログオフできるような時間をつくることが有効、というわけだ。

「4時間を提供する事は、とてつもない価値を持つでしょう」

会議での意思疎通に大切なのは、長い時間やとりあえず顔を合わせることではなく、あらかじめの準備、効果的な流れ、なによりも無駄な時間をなくすことだ。そして、伝えたい内容は端的に伝え、互いのコンセンサスをとり、結果を出すこと。あいまいに逃げるのではなく、質問と回答を繰り返すことで互いに明確に答えをつきつめていくこと。これで、理由が曖昧なままにNoを言い渡されることも減り、会議の大義は果たされるだろう。

さて、上司の排除は……若干難しいかもしれないが、互いの効率を考えて邪魔をしないように心がけることはできるだろうし、上司が会議を極力排除することはまったく可能だろう。こうして生まれた時間で、効率的に濃い内容で、オフィスでの仕事に向かえそうだ。

[脚注・参考資料]
Jason Fried, Why work doesn't happen at work, TED , Nov 2010
http://www.ted.com/talks/jason_fried_why_work_doesn_t_happen_at_work/transcript

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