6. メールは3行で返す
込み入った話は電話が早い
朝、出社してパソコンを開くと、社内外からのメールが山ほど届いている。一つ一つに目を通し、丁寧に返信をしているうちに午前中が過ぎ去っていく――。メールは便利なツールだが、ともすれば手間をとられるというデメリットもある。
植田さんは、「メールは短くすませるべき。3行でもいい」と説く。
「日本では時候の挨拶から始まって、相手に謝礼や社交辞令を書き連ね、それからやっと本題というメールが少なくありません。メールはもっとも簡便な通信手段です。あれこれ手間をかけては、簡便でなくなってしまいます。それに長いメールは、相手が読んでくれません。伝えるべき事項を簡潔に書けばいいんです」
とはいえ、明らかに目上の人や顧客など、簡潔にすませにくい相手もいる。その場合はどうすればいいか。
「電話をするか、直接会って話をするべきでしょう。そういう人にはメールを使うこと自体が適切でない。でも、一度会って話をすれば、多少簡潔なメールを送っても別に失礼ではないと思います。あと、込み入った話や双方向で話し合う必要がある案件の場合も電話がいいでしょう。メールでゴチャゴチャ書くと、誤解される可能性もある。電話のほうがよほど早いということもあるんです」
意外だが、外資系のエグゼクティブには「電話魔」が多いという。理央さんがIT系企業でマーケティング・マネジャーをしていたとき、MBA保持者のアメリカ人上司は定例会議の前後などに、理央さんに頻繁に電話をかけてきていた。
「理由を聞くと、『会議じゃ詰め切れない詳細な部分については、君に聞くのがいちばん早いから』と言われました。大事なことは、短い時間で密度の濃いコミュニケーションをとること。伝える相手と内容を考え、メールがいいのか電話がいいのか、よく考えて判断するべきです」