(2)明確な目標と期待を設定する
「立ち上げ会議で、このチームは何を達成したいのか、またそれを達成したことをどうやって確認するのかについて率直な議論を交わすべきだ」と、ニールは言う。「皆が同じ目標を持っていれば、チームは意見の相違に信頼を損なうことなく対処することができる」。
細部については意見が対立しているとしても、関係者が同じ最終目標をめざしていれば、議論しても信頼が損なわれることはない。それどころか、自分たちは同じことを達成しようとしているのだというメンバーの共通意識を強めることで、信頼が強化されることさえある。
バーチャル・チームに対する期待と当初の計画を明確にしたら、マネジャーはチームをその任務にずっと集中させておかなくてはいけない。バライカは、定期的な電話会議で、海外チームの任務に対する心をつなぎとめている。
ただ、電話会議そのものが信頼を妨げることもある。そのような事態を防ぎ、信頼を高めるようにするためには、可能なかぎりそれぞれのメンバーを別々の部屋に入れてみるのも一案だ。そうすることで、どのメンバーからも同等の集中と関心を引き出すことができる。ニールはこう語る。
「電話会議の一部の参加者は対面、他の参加者はバーチャルということになると、バーチャルなメンバーは影が薄くなる。リアルで会っている連中は自分たちだけでわかる言語で話し始め、バーチャルにつながっている人々はついていけなくなる」