(1)直接顔を合わせる時間をつくる
スタンフォード経営大学院教授のマーガレット・ニールは、バーチャル・チームと仕事を始めるときには、フェース・トゥ・フェースの立ち上げ会議を行うことを強く勧める。「最初に直接会うことで、人々はチームや仕事といった文脈の中で交流できるだけでなく、昼食をともにするなどして互いの個人的な面も知ることができる」と彼女は言う。
アクセンチュア人材サービシズは、新たにアウトソーシングされた業務がスタートする前に、主要スタッフのフェース・トゥ・フェースの会議を必ず開き、目標、サービス測定方法、業務開始日、測定基準に関して業務開始前に合意がなされていることを確認している。また、この会議はチームが協働関係を強める場ともなっている。
「この会議のおかげで、チームの国内メンバーと海外メンバーは、互いのコミュニケーション・スタイルになじむことができる。これは信頼とプロ意識に支えられたビジネス関係を築くのにきわめて重要だ」と、同社グローバル・アウトソーシング・ディレクター、ジョージ・バライカは語る。
対面の会議が不可能なときは、各メンバーの写真と簡単な紹介文を載せたチームの「年報」をつくることをニールは提案する。メンバーの経歴や関心についてちょっとした情報が与えられれば、電話や電子メールでやりとりする際にいくらか共通の基盤を持てることになる。