小宮コンサルタンツ代表取締役 小宮一慶氏が解説

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今でもソフトバンクはリスクを十分とっている

ソフトバンクの財務状況を見ると2兆円超の有利子負債を抱えており、NTTドコモやKDDIと比べれば見劣りする。決算短信では2014年度末を目途にこれをゼロにするとしている。財務的なリスクを減らそうとすることは賢明だ。

かつては大きなリスクを負ってでもチャレンジしないと市場におけるプレゼンスを築けないという事情もあっただろう。しかし今や企業規模が大きくなり、多くの株主、顧客、従業員やその家族を抱えている。今後は社運をかける挑戦は控えるべきだろう。失敗したとき社会に与える影響が大きくなりすぎている。

小宮一慶氏

偉大な経営者とは、自分の棺桶のフタが閉まった後も隆々とした会社をつくれる人のことをいう。松下幸之助氏が尊敬されるのはそうした理由があるからだ。孫さんのチャレンジはまだまだ続くだろうが、もし私が友人なら「これからはリスクのとり方を少し変えていってほしい」と伝えるだろう。

●正解【B】――3割以上のリスクを冒してはいけない。ただし10回に1回は勝負に出る

※本記事は2010年9月29日に開催された「ソフトバンクアカデミア」での孫正義氏の特別講演をもとに構成されております。設問文等で一部補筆・改変したものがあります。

(大塚常好、小澤啓司、原 英次郎、宮内 健、村上 敬=構成 小倉和徳=撮影 共同通信=写真)
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