しかし、次のようなアドバイスもいただいたのだ。
「キミは、商売人だったお父さんのDNAを引き継いでいるんだろう。このままじゃもったいないぞ。お父さんの思いを、もう少し真剣に受け止めて仕事をしてみたらどうだ。そうすればもっと数字もついてくるぞ」
仕事をするのは、ただお金のためだけではないはずだ。そこには、何らかの意味や意義があるに違いない。この副頭取のアドバイスに導かれ、私は自分がなぜこの仕事をしているのかという問いに真正面から向き合うようになった。
そうやって見つけたのが、
「父のようにお金がもとで命を削るような人をつくりたくない。お金で苦労する人をひとりでもなくしたい」
という志である。
人生の目的や志を聞かれても、すぐにそれを語ることができる人はそうはいない。だが、自分の生い立ちについては語ることができるだろう。そこに、人生の目的や志につながるヒントも潜んでいるはずだ。
これまで人生の目的や志を意識するチャンスがなかった人は、まずは自分の生い立ちを棚卸しするところからはじめてはどうだろうか。
【年収1億を生む黄金則】人生を振り返ることで、「志」につながる手がかりを見つける。
(※『プロフェッショナル ミリオネア』(プレジデント社刊)第4章「さらけ出す、信頼を得る」より)