冒頭に引用した『V字回復の経営』の一文には続きがある。

経営塾で使用したテキストの一部。課題図書と推薦図書を合わせると計20冊にのぼる。

<心に大きな影響を及ぼす何らかの出来事がない限り(略)突如として革新的行動に出ることは容易にできない>

心に大きな影響を及ぼす何らかの出来事――石井にとってのそれは、後輩の寿退社をきっかけに働き方を見詰めた時期であり、経営塾でトップの謦咳(けいがい)に接して「もっとも徹夜した」経験だった。だから、経営塾の運営に携わるいま――。石井は語る。

「自分を変えることができる場、学ぶ環境がいかに貴重か実感しています。私は、経営塾で学んだおかげで変わることができたわけですから」

●石井さんの学びセオリー3カ条

(1)納得するまで「なぜ」を繰り返す
(2)まずは書店で関連書籍を買いあさる
(3)自分を変えるためには環境を変える

(文中敬称略)

TOTO 人財開発本部 経営塾 企画主査 石井美和
1991年昭和女子大学家政学部卒業、TOTO入社。専任キッチンコーディネーター職として横浜ショールームに配属。2007年横浜支社リモデル営業推進課長に。10年より現職。
(小倉和徳=撮影)
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