ただ、細かいことにこだわりすぎると、前向きに物事を進めていくときのブレーキになりかねず、そのせいで、ほんの一瞬しかないチャンスを逃してしまうかもしれません。僕自身は、緻密というよりは大ざっぱな人間です。チャンスを逃してまで、細部にこだわる必要はないと思っています。
では、どうすればいいか。
仕事で大事なことは、人と人との組み合わせです。誰と誰が組むかで仕事の質が変わってきます。
たとえば、2カ月で結果を出すというような短期決戦型のプロジェクトでは、細かいことにこだわらず、ぐいぐいと話を進めていくタイプの人をメーンにします。反対に、息の長い仕事になりそうなときは、万事に慎重なタイプの人を配します。
仮にコンビを組んだ一方が、細部にこだわりすぎて、大きなビジネスチャンスを逃しそうになっているとしたらどうでしょう。人間のタイプは、少しくらい説得したところで変えることはできません。だから、2人で進めていた仕事なら、そこへ3人目のメンバーを加えることで、煮詰まった空気を一変させればいいのです。
大切なのは、消極的なメンバーをはずすのではなく、他のメンバーを「加える」ことです。いまはブレーキになっている人でも、長い目で見れば、一緒に仕事をしていく仲間です。しこりを残すようなやり方は得策ではありません。
もちろん、メンバーを増やせば短期的にはコストがかかります。しかし、結果を出すことが会社の目的なので、そのために最善の手を打つのは当然です。ためらわず、上司に訴えるべきだと思います。
1974年、茨城県生まれ。慶大大学院理工学研究科修了。博報堂を経て2004年に買い物サイト「バイマ」などを運営するエニグモを創業。同社は12年7月、東証マザーズに上場。