──自身の営業時代の経験を。

【小路】営業の班長だった89年、部下たちに毎月、「よかったこと」と「悪かったこと」を1つずつ言わせてノートにまとめた。半年経つと1人当たり6個の改善するテーマが見いだせ、部下と突っ込んだ話し合いができたのは印象深い。上司と部下の関係で大切なのは、客観性などではなく納得感の強さだ。

──大手流通の共同開発商品やPBが増えている。ビール業界は流通の軍門に下ったのか。

【小路】メーカーと流通は、協調する時代。共に働き、商品づくりと店づくりとで、消費者に高い価値を提供する必要がある。

──消費税増税を前にビール酒造組合は団結していくと言うが、会議中に居眠りする社長もいると聞く。大丈夫なのか。

【小路】そんな人はいない。私が会長代表理事になってから、みんな真剣だ。ビール類の酒税減税を要望していく。

アサヒビール社長 小路明喜 
1975年アサヒビール入社。アサヒ飲料専務、アサヒビール常務などを経て、2011年より現職。
(的野弘路=撮影)
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