既存政党vs新興政党…年齢で支持が分かれる
自民党に代表される旧来型の政党を既存政党とすると今回の参院選を特徴づけているのは、既存政党への信頼が失墜し、既存政党以外の政党への期待が高まっている点にあろう。
こうした動きの背景としては、裏金問題や不適切発言など、自民党という長期的に政権を担ってきた既存政党の不祥事が相次いでいるからというより、後に見るように、「社会が壊れている」という社会の機能不全の認識から、旧来型の政党ではそもそも国民の期待に応えることが無理なのではないかという認識が国民の間に広まっているからだと考えられる。
この点を見て行く前に、まず、既存政党と新興政党の違いについて、政党を支持する年齢層の違いから明らかにしておこう。
既存政党の代表格である自民党は年齢があがるほど支持率が上昇する。参院選1週前の時点での年齢別の政党支持率をあらわした図表1からもこの点は明らかである。
これを見ると自民党の支持率は50代までは10%台に過ぎないが、70代以上では35~40%となっており、年齢傾斜が特徴的である。若者の保守回帰が、以前、話題となったが、そういう状況には現在はなっていない。少なくとも、保守回帰があるとしても自民党には向かっていない。
支持政党が「特になし」と回答したいわゆる無党派層は自民党とは逆に若年層ほど多い右下がりの傾斜を示している。
既存政党離れを起こしている有権者は、一方で無党派層を形成するとともに、他方で新興政党支持に向かっている状況が明らかである。実際の選挙で無党派層の票が既存政党に流れるのか、それとも新興政党に流れるのかで結果が決まってくるというのが定番の選挙予想であるが、年齢的な構造からは、当然、新興政党に多く流れるに違いない。投票率の高低がその程度を決めることになるのである。
年齢があがるほど支持率が上昇するのは、自民党だけでない。古くからの政党である公明党や共産党・社民党も同様である。これらもまた既存政党と言うべきだろう。


