この暑さは何とかならないのか。8月5日には伊勢崎(群馬)で41.8度と全国歴代1位記録を更新。統計データ分析家の本川裕さんは「今夏は、酷暑だった昨年の平均猛暑日地点数をはるかに超えることが確実だ」という。各種暑さを示す統計を視覚的に見ていく中で、本川さんが最終的にたどりついた暑さの形容詞とは――。
危険な暑さが日本列島を襲う
「尋常でない」「危険な」「サウナのような」「うだるような」「ジリジリ」「ギラギラ」「カンカン照り」「汗が噴き出すような」「まとわりつくような」……。もはや、どんな形容も物足りない。
2025年の夏の暑さは尋常でないレベルに達している。熱中症や作物被害に加え、牛豚鶏など家畜も夏バテで搾乳量の減少や肉、卵の価格高騰も報じられている。
8月5日には伊勢崎(群馬)で41.8度を観測し、全国歴代1位記録を更新した。7月30日に柏原(兵庫)で41.2度を観測してから、1週間も経たないうちに0.6度も上回って、再び、全国における高温記録を塗り替えた(昨年以前の最高記録は2018年に埼玉県熊谷市、2020年に静岡県浜松市で記録した41.1度)。
気象庁が今年7月の日本国内の平均気温が平年(2020年までの30年平均)より2.89度高く、統計を始めた1898年以降で最も高かったと発表するなど、今年の夏の暑さを示すデータがいろいろ発表され、それが報道されているが、全国的な暑さを包括的に示す指標は猛暑日を記録した地点数なので、このデータから今年の暑さの状況をまず見ておきたい。
日最高気温が35℃以上の日を指す「猛暑日」は2007年に気象庁が制定した気象用語であり、そう古くからある用語ではない。
図表1には、気象庁のデータから昨年と今年の猛暑日地点数の日別推移を掲げた。2012~24年13カ年の平均猛暑日地点数も参考に点線の推移で掲げた。通例は7~8月の地点数が多く、特に8月の地点数が最も多くなっていることが確認できるが、通例と比べ、今年は早くも6月や7月前半に全国的に非常に暑くなった状況もうかがうことができよう。

