10月6日から生理学・医学賞を皮切りに、ノーベル賞各賞の授賞者が発表される。今年は、日本人は選ばれるのか。統計データ分析家の本川裕さんは21世紀以降の日本人ノーベル賞受賞者数は19人で世界第2位タイ。出身高校などを調べると意外な事実が判明した」という――。
自民党総裁候補&歴代首相&ノーベル受賞者の「出身高校・大学」
今年もノーベル賞受賞者が発表される時期となった。日本人の受賞者が出るかが話題となるのは年中行事のようである。そういう時期に合わせ、今回は、過去の日本人ノーベル賞受賞者の出身高校・大学データから受賞者の特性を探ってみよう。
本題に入る前に、基本認識として、国別のノーベル賞受賞者数を振り返っておこう。
図表1にはノーベル賞受賞者の国別ランキングを掲げた。ここでは自然科学系3分野についてのランキングを掲げ、文学賞、平和賞、経済学賞は性格が異なるので対象から省いている。
ノーベル賞発足からの累計では、米国人が282人と総計653人の43.2%と4割以上を占め最も多い。特に戦後だけをとると米国人が264人であり、総計512人中51.6%と5割を超えているのが目立っている。
米国は日本の南部陽一郎博士、中村修二氏のように海外生まれだが米国籍を取得した多くの学者を擁しており、カウントが基本的に国籍ベースなので、その点からも獲得数が多くなっている。なお、ここでは日本人だけは国籍が米国でも日本に計上している。
第2位以下は、英国が87人、ドイツが73人、フランスが38人と続き、日本は25人で第5位となっている。
戦前はドイツが最も多く、英国、米国、フランスと続いていた。日本はゼロだった。
戦後の受賞者数では日本はフランスを上回る第4位である。
今世紀(2001年以降)に入ってからは、米国の87人に次ぐ19人と英国と並ぶ世界第2位であり、フランスの13人、ドイツの10人をかなり上回っている。少し前まで日本人の受賞実績が世界の中でも特に目立っていたことがうかがえる。2024年には2人の英国人が受賞したので、日本の順位はそれまでの単独2位ではなくなった。

