【田原】ネットオークションは儲かったのですか。

【守安】厳しかったですね。私たちが始めるちょっと前に、ヤフーさんが始めてしまったので。向こうは最初からユーザーがついていたし、広告で収益をあげているので利用料を無料にできた。その結果、規模では大きな差をつけられてしまいました。結局、オークションだけでは厳しくて、うちも楽天のようなショッピングのサービスを開始。それでようやく黒字化です。

【田原】その後は?

【守安】モバイルオークションを始めました。ネットオークションはヤフーが強いし、ショッピングでは楽天が強い。何かナンバーワンになれる分野をつくらなくてはいけないということで目をつけたのが、携帯電話を使ったオークションでした。当時、携帯でインターネットをする人が増えていましたが、ヤフオクはPC向けだったので、携帯からは使いづらい。だからうちは、携帯用に新しいものをつくった。これがヒットしました。

【田原】まずオークションでモバイルにいって、その後にゲームを展開したのですね。流れがよくわかりました。いま、社員は何人くらいですか。

【守安】海外を含めて約2100人です。

【田原】DeNAは、就職の新御三家といわれているそうですね。昔は三菱商事、三井物産、住友商事だったけど、いまはDeNA、グリー、サイバーエージェント。学生は、どこに魅力を感じているのでしょう。

【守安】私たちは自分自身を「永久ベンチャー」と位置づけています。つまりこれからも新しい事業をつくっていくし、いまある事業も変えていく。そこに可能性を感じている学生さんが多いのではないでしょうか。また、業界全体が若くて、優秀な人なら1、2年で能力やノウハウがトップクラスに追いつく。早く結果を出したい人にとっては、うってつけの業界であることも理由の1つでしょう。