人民日報から伝わる悲壮感
ただ、本心はどうだろうか。同じく7日の人民日報海外版に掲載された記事「自らの事業に全精力を集中せよ」では、「米国の関税濫用は中国にショックを与えるものだが、“天が崩れるわけではない”」と論じている。国家経済が破綻するわけではないと国民を安心させる目的の記事だが、逆に「すさまじい経済的打撃があるのだ」との悲壮感がひしひしと伝わってくる。
なんとか米国との関係を改善させたい。そうした中国側の思いが伝わってくるのが、4月9日に発表された白書「米中経済貿易関係の若干の問題に関する中国側の立場」である。この白書では中国との経済関係が米国にとっていかにプラスであるか、中国ばかりが得をしてはいないと懇切丁寧に説明している。
目を引くのが、「米中の経済貿易関係は実は拮抗している」との一節だ。米国の対中貿易赤字は約3000億ドルという大赤字だが、米国が一方的に不利益を被っているわけではないと主張している。その独自の説を簡単に紹介しよう。
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(高口 康太/文藝春秋 2025年7月号)

